物価高騰に対応するにはお客様に提供する商品やサービスの値上げが避けて通れないことは前号にて触れたところです。
しかし実際には多くの企業において値上げに躊躇しているのが現実…
やはり値上げにともなう顧客離れや失注はとても怖いものだからです。
しかし、多少の顧客離れや失注は恐れるに足りないということはご存じでしたか?
具体的な数値例で確認してみましょう。
例えば、売上高100百万円、粗利率30%(=粗利額30百万円)、顧客数100社、すなわち1顧客あたり平均売上高が1百万円、粗利0.3百万円の企業があるとします。
ここで販売価格を10%引き上げるとします。すると顧客あたり平均売上高は1.1百万す。
値上げにより一部顧客の離脱が想定されるでしょうから、これを考慮しなければなりませんが、もともとの粗利額30百万円を維持するには何社の顧客が必要でしょうか?
電卓を入れればわかりますが、答えは75社(30=0.4×75)です。
なんと25%の顧客が離脱しても粗利が変わらないばかりか、離脱率が25%以下の場合には逆に粗利が増えてしまうのです。 こうやって数値で考えると、多少の顧客離れは恐れるに足りないというのが理解できるかと思います。
次回は「値上げ」のコツと気を付けなければいけないことについて解説します。